チェコはだいたい北海道ほどの広さ、人口は日本の1/10以下の約1,055万人程度。
その小さな国の中に、なんと12もの世界文化遺産が点在しています。
(ちなみに日本の世界文化遺産は16ヶ所)
今回紹介するレドニツェ城とヴァルチツェ城も、「レドニツェとヴァルチツェの文化的景観」として共に世界遺産に登録されている場所。
以前紹介した要塞都市ロケットの城とはまた全然違い、この地を支配していたリヒテンシュタイン家の邸宅や別荘として利用されていた城なので、外観や内装がとても美しい。
まさにファンタジーの世界で、ゲーム脳な私にはRPGの始まりの(もしくはラスボスの?)城が現実に現れたようでテンション上がらずにはいられませんでした…!
おとぎ話の世界から出てきたような「ヴァルチツェ城」
先にやってきたのは、ヴァルチツェ城(Valtice Chateau)。
車を降りた瞬間に息を飲む美しさの城が目に飛び込んできました。これはすごい…!
もともと14世紀に建てられたもので、18世紀頃に今に形を残す後期バロック様式に改修されたとのこと。

映画やゲーム、物語の世界からそのまま出てきたような外観。

RPGだったらこの左右の石像から謎かけされたり、襲ってきたりするで…間違いない……!
たぶん左側は魔法攻撃、右側は物理攻撃が強力なはず。

旅の拠点となる城、もしくはラスボスが住む城を彷彿とさせる面構え。
…とゲーム脳の私はそういう印象を受けるのですが、人によって映画、物語、アニメ、歴史など思い浮かぶものは違うのでしょう。

内部は見学可能になっています。早速入ってみましょう。



こちらは、当時使われていたお風呂。こんな大きめのクローゼットみたいなとこに設置されたとは。

内部は、思いのほか今とそれほど変わらない様子。若干改装されたりもしてるのかも?

多くの部屋には豪華なシャンデリアと、写実的で繊細な絵画が飾られています。

ドアは一直線に並んでおり、全て開いていると奥行きがすごい。

こちらは食事を取る部屋。奥に見えるのはセラミック製のストーブ。暖房機器まで美しく装飾し全体の雰囲気に調和するようつくられています。

過ぎた年月を感じさせるピアノ。

男性用のゲームルーム。

シャンデリアがメカジキ!調度品としてはいいけど、これちゃんと光るのか…?

こちらは喫煙ルーム。今でこそ喫煙所は小さな密閉した箱のような部屋になりがちですが(私もタバコ嫌いなのでそれには賛成ですが)、当時は広く市民権を得ていたんですね。こんな豪華な部屋でスパスパ吸っていたのか…。
ところどころアジアの家具や皿などが飾られていますが、当時は中国や日本の調度品が高級品として珍重されていたとのこと。

ガイドさんの話を耳を傾けつつ当時に思いを馳せるもよし、ただただその美しさ豪華さを感じるままに楽しむもよし。

一度は訪れてみてほしい場所の1つになりました。

レドニツェ城へのアクセス
拠点となるのは、ブルノとウィーンを結ぶ幹線上のブジェツラフ(Břeclav)駅。プラハ本駅からブルノ乗り換えで約3時間30分、ブルノからなら直通で40分ほどの距離です。
ブジェツラフ駅前のバスターミナルから、レドニツェ行きの路線バス(555番など)に乗車。所要はわずか15分前後で、日中は概ね1時間に1本程度の運行。バス停「Lednice, náměstí(レドニツェ広場)」で降りれば、目の前が城の敷地入口。
鉄道派には嬉しいローカル線も。ブジェツラフから支線で終点「Lednice」駅まで乗り入れる列車が、春から秋のシーズン中に運行されます。ただし本数が極端に少なく、実質的には観光列車という位置づけ。時刻表の確認は必須。
駅から城までは徒歩10分ほど。緑豊かな並木道を進むと、白亜のネオゴシック建築が視界に飛び込んできます。
車の場合は、D2高速道路をブジェツラフで降りて約10km。城の周囲に有料駐車場が複数点在しており、ハイシーズンでも駐車自体に困ることは少ないはず。ただし城に近い区画ほど早く埋まるため、午前中の到着が無難でしょう。
レドニツェ城の基本情報
スポット名
レドニツェ城(Zámek Lednice / Lednice Castle)
住所
Zámek 1, 691 44 Lednice, Czech Republic
地図
電話番号
+420 519 340 128
営業時間
見学ルートごとに時間が細かく異なるうえ、季節による変動も大きい点に注意。代表的な「1. 迎賓の間(Representative rooms)」は以下の通り。
7月〜8月:9:00〜17:00(月曜も開館)
9月:9:00〜17:00(月曜休館)
10月:火〜金は11:00・14:00の定時ツアーのみ/土日は9:00〜16:00
11月〜12月中旬:火〜金は11:00・14:00のみ/土日は10:00〜16:00
12月中旬〜3月:冬季休館
温室(Greenhouse)やミナレット(Minaret)は開館期間が異なり、庭園そのものは通年・無料で開放。訪問前に公式サイトの最新スケジュール確認を強くおすすめします。
入場料
1. 迎賓の間/2. 侯爵家私室(ガイドツアー)
大人(25〜64歳)300 CZK / シニア(65歳以上)・青年(18〜24歳)240 CZK / 子ども(6〜17歳)90 CZK / 5歳以下無料
3. 子ども部屋&人形博物館
大人260 CZK / シニア・青年210 CZK / 子ども80 CZK
温室(ガイドなし)
大人140 CZK / シニア・青年110 CZK / 子ども40 CZK
ミナレット(塔のみ)
大人100 CZK / シニア・青年80 CZK / 子ども30 CZK
ヤンの城(Janův hrad)
大人140 CZK / シニア・青年110 CZK / 子ども40 CZK
支払いはクレジットカード・現金の双方に対応。ハイシーズンのツアーは定員に達することもあるため、オンラインでの事前購入が安心です。
公式サイト
Státní zámek Lednice – oficiální webové stránky –
リヒテンシュタイン家の夏の別荘「レドニツェ城」
さきほどのヴァルチツェ城は、この一帯を長い間支配していたリヒテンシュタイン家の邸宅。
そして次に訪れたレドニツェ城は、同じくリヒテンシュタイン家に夏の間の別荘として使われていたお城です。

ネオゴシック様式の建築で、ヴァルチツェ城とはまた違った趣のある外観。

青い空に白亜の城が映える。

目の前の庭園はフランス式で、見頃には鮮やかな花が咲き乱れます。

訪れたのは5月、まだちょっと早すぎたかな?

おすすめの撮影スポットがあるとのことで、城や庭園を見て回りながらその場所へ向かいます。


途中の建物や森、全ての景色が絵になる。

レドニツェの庭園(公園?)はめちゃくちゃ広く、その撮影スポットに行くだけでも15〜20分ほど歩きます。

途中にはボート乗り場と併設のカフェまで。暖かい日に庭園をのんびり散歩して、カフェでチェコビールなんて最高じゃあないですか。

そしてここが、撮影スポットからレドニツェ城を撮ったもの。手前に流れる川と、庭園の緑の中にそびえ立つ城の風景がとても印象的です。
涼しげでもあり、ここを夏用の邸宅として使っていたというのも納得。

庭園はまだまだ続いており、奥にはイスラム建築の一種であるムーア様式で建てられたミナレット(イスラム教の塔)が。
今は展望所として使われているそうですが、たどり着くまでに相当距離があるとのことで今回は遠くから眺めるだけで我慢。

この日レドニツェ城は休館日で中には入れないはずだったのですが、チェコ政府観光局さんの働きかけで特別に少しだけ見せてもらえることに!
鹿大好きの昔のチェコ人、この城にもハンティングした鹿の角がずらりと飾られています。

これがネオゴシック建築の特徴なのか、調度品はもちろんのこと壁や階段に至るまで、手の込んだ複雑なデザインが施されています。豪華絢爛。
共産主義時代に一度廃墟のようになっていたのですが、その後当時のものを回収するなどして現在の形にまで改修することができたとのこと。
チェコは本当に「共産主義時代に一度破壊され、その後の努力で改修し当時を再現」したものが多すぎる。若年層を中心にほとんどの人が共産主義時代を嫌悪しているのも当たり前なのかもしれません。

この一見壁のようなドアを使って、

ショートカット!

青い壁紙に、オーク材を使った螺旋階段が印象的な部屋。
夏用の別荘だからから、この前に見たヴァルチツェ城よりも涼しげな寒色を使うよう考慮されているのかも。

なんと一本の木から削り出したという、艶めかしい曲線を描く階段。

この時代の本棚は雰囲気がありますよね。

隣のリビングらしき部屋も、青系の色が効果的に使用されたクールで豪華な部屋。

当時の高級品であるガイドさん曰く日本製の壺も飾られています。
「見学に来た日本人は『これ、日本っぽくない。中国製じゃない?』と言うが、よくわからないわ」とのこと。実際見てみましたが確かに中国っぽいような、でも日本にもありそうな。わざわざ鑑定するのも野暮というものかもしれませんね。

打って変わって、途中に赤をメインカラーとした部屋もありました。

イタリア製ベネチアンガラスのシャンデリアが美しい部屋。こんなところでゆっくり紅茶でも飲みながら他愛もない話を繰り広げてみたいものです。

ヴァルチツェ城へのアクセス
こちらもブジェツラフ(Břeclav)駅が玄関口。プラハ本駅から特急でブルノ乗り換え、あるいは直通で3時間ほど、ブルノからは約30分。
ブジェツラフからヴァルチツェへは、ローカル線に乗り換えて「Valtice(ヴァルチツェ)」駅または「Valtice město(ヴァルチツェ市街)」駅で下車。所要10〜15分の短い旅です。城に近いのは後者の「Valtice město」で、こちらなら徒歩5〜10分で到着。「Valtice」駅からだと20分程度歩くことになります。
バスであれば、ブジェツラフ駅前から出る路線が市街地中心部に停車。停留所「Valtice, náměstí Svobody(自由広場)」で降り、そのまま北へ数分歩けば、堂々たるバロック様式の正面ファサードが姿を現します。
レドニツェとヴァルチツェは直線で約8km。両城を結ぶバス路線もあり、サイクリングロードや徒歩道も整備されているため、レンタサイクルで2つの城をハシゴするのが定番コースです。世界遺産「レドニツェ=ヴァルチツェの文化的景観」全体を体感するなら、この移動そのものがハイライトになるはず。
車ならD2高速をブジェツラフで降りて約12km、ブルノからは40分ほどのドライブ。市街地に無料・有料の駐車スペースが確保されています。
ヴァルチツェ城の基本情報
スポット名
ヴァルチツェ城(Zámek Valtice / Valtice Castle)
住所
Zámek 1, 691 42 Valtice, Czech Republic
地図
電話番号
+420 519 352 423
営業時間
メインの「大迎賓ツアー(Grand representation tour)」を基準にすると、おおよそ次のスケジュール。
4月:9:00〜16:00(月曜休館)
5月〜6月:土日のみ10:00〜16:00
7月〜8月:毎日9:00〜17:00(月曜も開館)
9月:火〜日 9:00〜17:00
10月:火〜日 9:00〜15:00
11月:土日のみ10:00〜14:00
1月〜3月:原則休館(ただし1月下旬〜3月中旬の土曜には、城内礼拝堂とバロック劇場を巡る「冬季ツアー」を実施)
チャペル、バロック劇場、ディアナ神殿などは個別に時間設定があるため、目当てのルートがある場合は公式サイトで要確認。
入場料
大迎賓ツアー(ガイド付き・基本ルート)
大人(25〜64歳)300 CZK / シニア(65歳以上)・青年(18〜24歳)240 CZK / 子ども(6〜17歳)90 CZK / 5歳以下無料
侯爵の居室(フランツ1世の間・ガイドなし)
大人180 CZK / シニア・青年140 CZK / 子ども50 CZK
バロック劇場
大人160 CZK / シニア・青年130 CZK / 子ども50 CZK
城内礼拝堂
一律60 CZK(要予約)
ディアナ神殿(ランデヴー)
大人100 CZK / シニア・青年80 CZK / 子ども30 CZK
ハーブ園(Herb Garden Lu & Tiree Chmelar)
一般70 CZK / 6〜18歳・シニア50 CZK / ファミリー券180 CZK
なお城の地下にはチェコ国立ワインサロン(Národní salon vín)が入居しており、国内トップクラスのワイン約100種をテイスティングできる別料金の施設。ワイン産地モラヴィアを訪れたなら、外す手はありません。
公式サイト
あとがき
レドニツェ城やヴァルチツェ城での滞在は、まさに物語の世界にいるような不思議な空間でした。
それほど混んでもいないので、のんびり見て回れるのも嬉しい。
ただただ目に入るものを感じるだけでももちろん楽しめますし、チェコの歴史を勉強してから行けば感じるものもより多くなるでしょう。
チェコやオーストリア・ウィーンあたりに旅行する際の選択肢として、おすすめできる場所です!
ただ執筆料はいただいておらず書く内容についての制約もないため、当ブログの方針によりPRタグはつけておりません。


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